みなさん、こんにちは
今回のShige’s Reportでは、2022-2023 シーズンの振り返りとしてまとめましたのでご一読ください。

2022年ポーランドで行われた世界選手権を機に、ポーランドリーグへの挑戦を決めた昨シーズン。28歳という年齢での海外挑戦に不安もありましたが、アイスホッケー選手として成長したいという強い気持ちで決心しました。

チームの練習はシーズンスタートから日本とのプレー精度や身体的な差をとても感じていました。思うようにプレーできず、改善すべきことが山積みであると痛感したと同時に、自分に対する成長の手ごたえも感じ、その先の期待感もありました。
プレシーズンゲームのスタートは、1stラインでプレーしましたが、全く結果を残すことができず、徐々にセットが落ちる日々であり、改めて今まで通りのプレーでは通用しないことに気が付きました。

振り返れば、この経験や気づきが自分にとって大きな変化の一つだったと思います。
日本でプレーしていた頃はオフェンス8割、ディフェンス2割くらいの感覚でいましたが、ポーランドに来てからは常にディフェンスファーストのプレーを心がけ、5:5もしくは4:6といっても過言ではないくらい、今までのホッケー人生で一番守りについて考えるシーズンとなりました。

9月にチャンピオンズリーグが開幕し、そこでさらにハイレベルの選手たちのプレーを間近で見て、同じリンクに立ち、今まで経験したことのないものを肌で感じました。NHL・KHLでプレーした選手はもちろん、長年ヨーロッパのトップリーグでプレーしている選手たちは文章では伝えることのできない凄さがありました。
9月2週目から国内リーグがスタートし、開幕戦は4セット目での出場でしたが、この試合で決勝点を決めることができ、プレシーズンでは全く結果を残せなかっただけにかなりホッとしたのを覚えています。9月にはチャンピオンズリーグと国内リーグの同時進行だったために1ヶ月で13試合戦うというハードな期間でした。

以降は時が流れるのは本当に早く感じ、充実した毎日を過ごすことができました。プレーとしても徐々に外国人選手との感覚を身に着けることができ、セットも上がったり、怪我人が出たときにパワープレーに出たりと少しずつ良い方向になっていると自分自身で感じることができました。

シーズン中盤から終盤にかけやく2か月間、点数を決めることができない日々が続き、とても苦しい時期もありましたが、居残り練習や動画を観るなど、様々なことを自分で考え試行錯誤を繰り返し、やっとゴールできた時の嬉しさは、これまでと違ったアイスホッケーの楽しさを感じることができました。

2月後半からのプレーオフでは本当にハイレベルな試合でした。
BEST OF 7のゲーム形式で4勝先取のファーストラウンド、セミファイナル、ファイナルの3ラウンド形式になっており、自分達が所属するチームのファーストラウンドはリーグ戦5位のチームでした。
そのチームとはリーグ戦で2勝3敗と負け越している相手で、少し相性の悪いチームとの対戦だったため、とても苦戦することが予想されていましたが、最終的にゲーム7までもつれ込む戦いを制し、次のラウンドに進むことができました。
しかし、この時点で13日間に7試合というスケジュールでアイスタイムが多くない私でも強く疲労を感じていました。

セミファイナルは、第7戦を終えた2日後に始まりました。セミファイナルでは7試合のうち、4試合がオーバータイムまでいく激闘を勝ち上がり、無事ファイナルへの進出を決めました。セミファイナル終了時点で27日間に14試合という、国内でプレーしていた頃には経験することのないプレーオフホッケーと試合数を経験し、どれをとってもこの道を選んでよかったと思い、本気でアイスホッケーが楽しいと思える日々でした。

セミファイナルから4日後からプレーオフファイナルがスタートしました。今までにないワクワク感は、その場にいた人にしかわからないことだと思います。
アウェイでの第1戦、第2戦を勝利し、舞台はホームへと戻ってきました。チームには相当の勢いがあり、相手チームを圧倒してスィープで優勝することができました。あの時の興奮は今でも鮮明に覚えており、この先も忘れることのない最高の瞬間でした。

リーグで一番と言われるホームのファンは、日本でいうとサッカーJリーグ相当だと思います。これがアイスホッケーという競技とチームを熱く応援する本当のファンだと感じました。初めて満員のリンクで試合した時の一体感のある声援を受けた時は、足が震え鳥肌が立つほどの凄さでした。

優勝後のリンクセレモニーや、バスでのパレードでは大勢のファンたちが駆けつけてくれて、「おめでとう!ありがとう!最高!」と声をかけてくれ、日本の方からもメッセージをいただき、本当に嬉しく、今シーズン海外挑戦をしてよかったと思えました。
また、日常的に海外選手と対戦できることは貴重な時間であり、今シーズンの経験を成長材料にして、日々学び、更に高い所を目指していきます。

過去の記事はこちら

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記①≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記②≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記③≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記④≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記⑤≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記⑥≫

Shige’s Report ≪人里茂樹の海外挑戦記⑦≫